改正商法が5月18日に参議院本会議で可決、成立しました。片仮名書きの文語体が全て口語体になり、六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)の全てがひらがなを用いた口語体に統一されたことになります。私が法律の勉強を始めたときには憲法以外はすべて片仮名書きの文語体でしたので、口語体に統一されるまで随分長くかかったなぁと思います。一方、片仮名書きの文語体の条文で勉強を始めた私としては、なんとなく寂しい感じもしています。
さて、今回の商法改正では、時代の変化に合わせ、これまで規定のなかった航空運送、トラックや船舶などを組み合わせて目的地に運ぶ「複合運送」に関する規定がそれぞれ盛り込まれました。宅配便などで荷物が壊れた場合、荷主が業者に損害賠償を請求できる期間を、現行の最長5年から1年に短縮する規定も設けられました。ガソリンや化学薬品などの危険物の運送では、荷主に運送会社への通知義務が課されることになりました。旅客運送では、乗客が死亡や負傷した場合の賠償金を著しく低くするなど、業者の責任を不当に減免する約款を無効にする規定も設けられました。船舶による運送では、船の衝突による物損で不法行為の責任が問われる期間を現行の「加害者を知ってから1年」から「行為時点から2年」に改められました。
なお、小型無人機ドローンの利用については、安全確保などの議論が不十分として商法に盛り込むことが見送られました。
社会情勢が変われば法律も変わるのは当然のことです。民法債権法の改正もあり、変化についていけるようしっかりと勉強していかなければならないなと改めて思いました。